
救える命が救われる社会をつくる
日本の救急搬送が直面する危機
高齢化に伴い、消防救急車の出動件数は年々増加しています。全国平均の現場到着時間はついに10分に達しました*¹。日本の高齢化率は2040年には35.3%に達すると予測され、救急搬送の需要はさらに増加する見込みです。
一方で、生産年齢人口の減少により、地方自治体が救急隊員数を大幅に増員することは財政的に困難な状況です。このままでは、救急搬送の需要と供給のアンバランスがさらに加速し、近い将来、日本の救急搬送体制が崩壊する可能性があります。本来、救えるはずであった命が救えない社会が到来する恐れがあります。
私たちの挑戦
私たちOPHISは、この社会課題に正面から取り組みます。救急搬送体制を中心とした課題解決を通じて、119番通報により救える命が救われる社会を持続させることを目指しています。
ステークホルダーの垣根を越え持続可能な救急搬送システムを構築する

現状と課題
2023年の全国データによれば、消防救急車の軽症者搬送割合は48.5%、転院搬送割合は7.3%を占めています*¹。これらの搬送を民間救急に担ってもらう仕組みを構築することで、消防救急車の適正な利用が促進されると考えています。現在、民間救急が活動している地域はあるものの、消防と連携ができているケースはほとんどありません。
私たちの使命
私たちが果たすべき使命は、病院前救急医療を軸足として、ステークホルダーの垣根を越えた連携のハブとなり、持続可能な救急搬送システムを構築することです。
消防、病院、民間事業者、行政はそれぞれ異なる立場と利害を持っています。これらの利害をすり合わせ、共通の目標に向けた仕組みづくりが不可欠です。
OPHISは、救急救命学の専門的知見を背景に、各主体の課題を深く理解し、信頼できるパートナーとして連携を促進します。
*1 総務省消防庁「令和6年版 救急救助の現況」

博士(救急救命学), 救急救命士
国士舘大学防災•救急救助総合研究所 講師
東京都出身。2013年に救急救命士国家資格を取得。2018年、国士舘大学大学院救急システム研究科博士課程修了。博士(救急救命学)。国士舘大学大学院助手および三次医療機関(救命センター)、二次医療機関における非常勤救急救命士を経て、2019年より中央大学理工学部助教を経て2024年より現職。病院前救急医療における疫学、心理学、行動科学、教育学、VRといった多様な分野の知見を用いた複合的な研究アプローチを強みとし、救急医療の業界発展に資する研究を多数手掛ける。2021年に救急医療の教育を支援する株式会社PECPETを設立、その経験から救急搬送の課題解決の必要性を痛感し2024年1月にOPHISを設立。2024年Forbes JAPAN「NEXT100 100通りの世界を救う希望」に選出。

救急搬送システムの破綻
消防救急車の出動件数は年々増加しています。それに伴い救急車が現場に到着するまでの時間も延伸し、全国平均は10分を突破しました。このまま出動件数の増加が続くと、現行の救急搬送システムの継続は難しく、重症な傷病者に必要な医療サービスを提供できなくなります。
つまり、救急搬送システムは本来の目的を果たせず破綻します。すでに、その域に達している地域もあります。
新たな救急搬送システムの導入
この原因の1つが高齢化です。高齢者は若者と比較し体調を崩すことが多く、また自身で病院に行くことが困難なことがあります。
その結果が救急車要請件数の増加であり、日本が超高齢化社会を迎えたことによる必然です。
しかし、現行の救急搬送システムは高齢化に対応しきれていません。市民サービスとして、救急搬送システムを継続させるためには、新たなシステムを導入しなければいけません。私たちは、消防の救急車のみに依存しない持続可能な救急搬送システムの構築と運用を実現するための活動を行っています。
私たちの活動によって1人でも多くの人命が救われることを祈っています。
代表理事 匂坂 量